2015年10月04日

英国のDrayson Technologies社がIoTの電源となるRFエネルギーハーベスティング技術Freevoltを発表

2015年9月30日、英国のDrayson Technologiesは、TV、ラジオ、WiFiなど環境中の電波のエネルギーを収穫するRFエネルギーハーベスティング技術を開発したことを発表しました。
最初のアプリケーションは、大気汚染モニタリング用のタグ CleanSpace だそうです。

drayson.png
 


特許出願中とのことで、技術の詳細は明らかにしていませんが、共同研究をしているImperial College Londonが、学会等で発表している内容を見れば、だいたい見当はつくかと思います。

RFエネルギーハーベスティングの最大の課題は、そもそも環境中のエネルギー密度が低いことで、20-35nW/cm2程度のエネルギーをどう使うか、というところが現段階では見えにくいです。LEDを点滅させるのは、デモとしては分かり易くても、実用的なアプリケーションにはしづらいです。その点、Drayson Technologiesは、大気汚染センサを始め、幾つかのセンサへの適用を目指しており、ビジネスとして成功するかどうかが注目されます。
長期的、超長期的には、電子機器の消費電力は低減を続けますので、そのうち、様々な用途への展開が可能になっていくと思われます。

さて、Drayson Technologiesのように、IoT(モノのインターネット)の実現に向けてRFエネルギーハーベスティング技術を実用化しようという会社は、世界中にたくさんあります。今回の発表が世界のメディアで注目を集めているのは、それがDrayson Technologiesの発表だから、という面があります。

Paul Drayson、ドレイトン卿は、無針注射システムのパウダージェット社で財をなし、英国科学技術庁長官を務め、Drayson Racing社のオーナー兼ドライバーとしても活躍するという異色の人材です。今まで誰も成功していない事業に、Draysonなら成功するのではという期待がかかります。

参考情報:

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posted by 竹内敬治 at 21:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | エネルギー・ハーベスティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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