2014年12月21日

熱電変換システムのコスト分析

これまで、様々な材料・製造プロセスで熱電変換材料が作られています。
実用化・普及のためには、材料の性能(ZT)、材料の製造コストだけでなく、ヒートシンクなども含めたシステム全体としてのコスト競争力が必要です。
30種類の熱電変換材料について、5つのユースケース(低温排熱回収、太陽熱発電、自動車排気熱回収、産業炉熱回収、及び冷却)のコスト分析結果が試算されています。
thermoelectric.png



上図は、冷却システムを構成した場合の運用コスト(熱量kWhあたりのドル)を縦軸にとって、横軸には様々な熱電変換材料を並べています。システムのコストは、材料コスト($/kg)よりもZTへの依存性が大きいです。
レファレンスとして、吸収式冷凍機とエアコンの運用コストが横線で記入されています。
このグラフに基づけば、コスト競争力のあるペルチェ冷却システムが実現できることになります。

一方、熱電発電システムについては、コスト競争力($/kW)があまりありません。275℃以上の熱源があれば多くのバルク熱電材料のコストは1$/kWを切りますが、熱交換器やセラミックプレートのコストが高く、既存熱発電システムよりも割高になります。

エネルギー・ハーベスティング用途、例えば無線センサ電源という用途に限れば、熱電発電システムは温度差が得られるところでは競争力がありますが、材料メーカとしては、これだけではあまり大きなビジネスにはなりません。
事業化のためには、ペルチェ冷却システムのビジネスも一緒に考えていく必要があるということでしょう。


他のエネルギー・ハーベスティング材料も同じで、事業化のためには、他の用途、例えばセンサ、アクチュエータ、再生可能エネルギーなども含めた市場を開拓していく必要があるでしょう。

Saniya LeBlanc,et.al.
Renewable and Sustainable Energy Reviews 32 (2014) 313–327
(2014年12月18日、Nextbigfuture.com)

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posted by 竹内敬治 at 20:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | エネルギー・ハーベスティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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