2013年04月07日

変電所の事故を自立電源無線センサネットで未然防止

英国のハダースフィールド大学(University of Huddersfield)では、変電所で発生する部分放電を検出することで、爆発や停電の発生を未然に防ぐ自立電源無線センサネットを開発しています。
 
エネルギー・ハーベスティングのスマートグリッドへの応用のひとつと言えます。
 
 WSN.jpg
 
変電所にあるケーブルや他の電力機器の絶縁部分が古くなったりダメージ受けた時に発生する部分放電(PD: Partial Discharge)は、気がつかれないで放置されると、爆発や停電などの危険で破壊的な障害の原因となります。

直接機器に結線して使う部分放電の測定器もありますが、このプロジェクトで開発しているのは、部分放電から発せられる電磁波ノイズを受信して、位置を特定する無線センサネットです。

これまでも、無線センサネットシステムはありましたが、離れた位置にあるセンサ群で受信したノイズ様の時間波形の相関をとって場所を検出するもので、高度な信号処理が必要でした。

今回開発するシステムは、電磁波ノイズの振幅の大きさから、部分放電の発生位置を検出するもので、高度な信号処理は必要ありません。ただし、変電所内の環境では、部分放電発生個所とセンサの距離が同じでも、検出されるノイズ振幅は大きな違いが出ます。そのために、部分放電をエミュレートして、センサの校正を行います。

無線センサは、高電圧の機器に直接接続する必要がありませんので、設置時に装置類の電源を切る必要がありません。変電所環境に豊富に存在するエネルギーをハーベストして自立電源に活用しますので、メンテナンスも楽です。


4年半のプロジェクトには、英国の工学・物理科学研究会議(EPSRC: Engineering and Physical Sciences Research Council)が、約1億円(67万ポンド)の資金を提供します。

2年後に実証実験を行う予定です。完成の暁には、老朽化した設備の効率的な運用が可能となります。

変電所設備は世界中同じですので、海外への輸出も視野に入れています。


参考情報:
£670,000 EPSRC grant for new professor
Ian is back on home turf as Professor of Radio Science and Wireless Systems Engineering
(2013年4月2日、ハダーズフィールド大学ニュース)
Researchers are developing a wireless sensor network (WSN) designed to spot faults in electricity sub-stations that can lead to power cuts.
(2013年4月7日、th Engineer)

関連記事:
スマートグリッドへのエネルギーハーベスティング応用:送電線のモニタリングで送電能力アップ [2012/09/30 20:25]
米国電力研究所が自立電源型の送電線検査用自走ロボットを開発 [2012/04/15 21:29]
 



posted by 竹内敬治 at 20:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | エネルギー・ハーベスティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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