2012年02月19日

ミシガン大学、心臓ペースメーカ電源用の振動発電機を開発

ミシガン大学の研究者が、心臓ペースメーカ用の振動発電機を開発しました。

臨床実験などは、まだかなり先ですが、実用化への第一歩です。


 
 
心臓のペースメーカは、内蔵するリチウム電池が大きく、また、電池交換の手術が必要になります。
機器のサイズを小さくし、また、電池交換手術をなくすことができれば、患者の負担を削減することができます。
 
以前の記事で、ワイヤレス給電式の心臓ペースメーカを紹介しましたが、
世界初 ワイヤレス給電方式の心臓ペースメーカー [2011/11/20 17:52])

今回は、心臓ペースメーカ用の振動発電機を開発したという内容です。
 
心臓ペースメーカの消費電力は低下していて、1マイクロワットあれば作動するそうです。
1マイクロワットであれば、心臓の拍動のエネルギーを使って、発電することができます。
 
心拍のペースは、一定ではなく、カオス的な変動をします。
そのため、非線形性を持つ振動発電機が適しているとのことです。

下図のように、カンチレバーの先の錘に磁石を使って、対岸にも磁石をつけて反発するようにすると、
外部環境の振動に対して、共振せずに、非線形のふるまいをするようになります。
nonlinear.jpg
 
このような構造の振動発電機で、7Hz〜700Hzの範囲で、1マイクロワット以上の発電ができるのを確認したとのことです。
 
大きさは、既存の心臓ペースメーカよりも小さいですが、患者の負担を減らすためには、さらなる小型化が必要でしょう。
 
心拍をエネルギー源にしていると、万一、心臓がとまってしまったときに、心臓ペースメーカまで道連れになってしまうという可能性もあるので、蓄電デバイスとの組み合わせも必須です。
 
心臓ペースメーカの消費電力が下がってきたということは、リチウム電池の持ちもよくなる(あるいは小さくできる)ということでもありますが、より小型で信頼性の高い電源ができれば、患者にとっては福音です。
 

参考情報:
Heartbeat Vibrations Can Power Pacemakers
Prototype pacemaker powered by heartbeat vibrations
(2012年2月12日、DailyRX)
Powering pacemakers from heartbeat vibrations using linear and nonlinear energy harvesters
M. Amin Karami and Daniel J. Inman
(Appl. Phys. Lett. 100, 042901 (2012); doi: 10.1063/1.3679102)

関連記事:
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posted by 竹内敬治 at 20:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | エネルギー・ハーベスティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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