2011年08月14日

IMTEK(独フライブルク大学):枕木の振動で発電し、鉄道トンネルの構造ヘルスモニタリングシステムに給電

スイスのレッチュベルクベーストンネル(Lötschberg-Basistunnel)は、全長34.6kmで、鉄道専用では世界最長のトンネルです。2007年6月に開通し、最高時速250kmの高速鉄道が走行します。
 
ドイツのフライブルク大学工学部マイクロシステム工学科(IMTEK)、Martin Wischke らの研究グループは、枕木の振動で発電する自立型の構造ヘルスモニタリングシステムを開発しました。
Trains’ vibrations could provide power for monitoring tunnels
 
 
トンネルの中では、利用可能なエネルギー源は限られます。
トンネル内には、太陽の光は差さず、温度差はなく、電波も届かないので、使えるエネルギー源は、鉄道の車両が通過するときの振動だけだそうです。

下の動画のとおり、トンネル内には、鉄道の架線(通電されています)や、照明・送風用の電源配線はありますが、センサーの電源としては使いづらい理由があるのでしょう。


ちなみに、道路のトンネルでは、自動車のサスペンションやタイヤのために大きな振動は生じず、エネルギー源にならないとの調査結果だったそうです。

レール上に発電機を設置すると最も発電量が大きくなりますが、レールに亀裂が入るリスクがあるので、設置が容易な枕木に振動発電機を設置することにしました。

列車通過時の振動で発電した電力は、キャパシタに蓄えられ、センシングに使われます。回路を工夫することで、スリープ電流はわずか70nAに抑えられました。

今後は、さらに改良を加えて実用化を目指します。発電デバイスとしてだけでなく、鉄道トラフィックの監視にも利用できる可能性があります。振動パターンを解析することで、通過車両の重さや車軸状態などが推定できるかも知れません。


参考情報:
Trains' vibrations could provide power for monitoring tunnels
(2011年8月8日、PHYSORG.com)

関連記事:
橋梁モニタリングシステムのコストを100分の1に:自立型無線センサーノードSENSPOT [2011/07/31 20:00]

 









posted by 竹内敬治 at 21:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | エネルギー・ハーベスティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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