2011年07月31日

橋梁モニタリングシステムのコストを100分の1に:自立型無線センサーノードSENSPOT

米国メリーランド大学の研究者Mehdi Kalantariは、橋梁モニタリングのための自立型無線センサーノードを開発しました。
メリーランド州交通局と共同で、一年近くにわたり、実証実験を続けています。

センサーノードの平均消費電力は4μWで、電源は太陽電池と電波ハーベスティングでまかないます。
 
Mehdi Kalantariは、ベンチャー企業Resensys LLCを設立して、2011年9月にはセンサーの生産能力を増強予定です。
 

 
 
厚さ5mm、縦横5cmのセンサーノードは、フレキシブルな4層からできています。
 
最初の層は、センサーです。
橋梁のヘルスモニタリングに必要な、歪み、傾き、加速度、変形、亀裂、温度を計測します。
 
2番目の層は、エネルギーを蓄積するスーパーキャパシタです。
 
3番目の層は、無線送信回路です。見通しで1.3kmの通信距離です。
 
4番目の層(もっとも外側の層)は、エネルギー・ハーベスティング層です。
太陽電池およびアンテナで、光や電波を吸収します。  
 
  
橋や高速道路の高架などの表面に、貼り付けるだけで設置できます。寿命は少なくとも20年と言っています。
コストはひとつあたり20ドルで、センサーが500個必要な平均的サイズの高速道路の橋の場合、センサーのコストは1万ドルになります。
貼り付け作業は必要ですが、有線のセンサーノードを敷設するのに比べたら、100分の1のコストになるとのこと。
 
100分の1は大げさとしても、画期的に低コストのソリューションにはなるでしょう。
 
 
 
米国では、2007年のミネアポリスでの橋の崩落事故以来、古い橋のメンテナンスの必要性が注目されていますが、日本でも、高度経済成長期に作られた橋梁、高速道路、トンネルなどのインフラ設備の老朽化が進み、設備の寿命を延ばすためのプリベンティブ・メンテナンスの重要性が指摘されています。
 
橋梁モニタリングは、センサーの配線のためのコストが膨大なため、エネルギー・ハーベスティングの有望な適用分野のひとつです。
Microben Systemsなども振動発電機の開発を進めていますが、自立型無線センサーノードの開発では、Resensysが先行しています。
 
参考情報:
Wireless sensor to monitor structural integrity of bridges
(2011年7月29日、Gizmag)
Resensys LLCウェブサイト

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posted by 竹内敬治 at 20:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | エネルギー・ハーベスティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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