2011年07月24日

波力発電船は太陽光発電や風力発電より低コストか

再生可能エネルギーのひとつ、波力発電は、ポテンシャルは大きいものの、陸までの送電線敷設コストが高いこと、台風など荒天による故障のリスクが高いことなどの課題があります。

Fraunhofer CMIが提案している波力発電船(Mobile Wave Energy Harvesting)は、それらの欠点を克服し、低コストの発電を目指しています。
 
Wave Energy Harvester Ship
 
 
Fraunhofer CMI ( Fraunhofer Center for Manufacturing Innovation) は、ドイツではなく、米国(ボストン)にあります。ボストン大学と協力して、再生可能エネルギー技術の開発などを行っています。
 
 
Fraunfoher CMIの提案によれば、波力発電船は、沖合で発電して、船内の蓄電池に蓄電します。
そして、電力ピーク時間帯に、港に戻り、電力網に送電します。
全長50mの波力発電船は、1MWの発電能力と20MWhの蓄電能力があります。
(一日一回、港に戻るのであれば、十分な蓄電能力です)
 
高価な海底送電ケーブル(1kmあたり50万ドル)は不要です。また、嵐のときは、退避することができます。
 
永久構造物(permanent structure)ではないので、規制のハードルを乗り越えられます。
 
波力発電船の発電コストは、1kWhあたり15セントです。
それに対して、従来の波力発電のコストは、1kWhあたり30-65セントです。
また、洋上風力発電のコストは、khWhあたり15-24セント、太陽光発電のコストは1kWhあたり30セント程度です。
 
波力発電船は、他の再生可能エネルギーに対して発電コストで競争力があるだけでなく、電力ピーク時に電力網に対して安定供給できるというメリットがあるので、電力網にとっても、太陽光発電や風力発電が増えるよりも望ましい発電方式です。
 

参考情報:
Wave-power ships could bring cheaper clean electricity
(2011年7月14日、NewScientist)
Mobile Wave Energy Harvesting
(Fraunhofer CMI)
Marine Energy Technology Roadmap
(2010年10月、UK Energy Research Center / University of Edinburgh)

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posted by 竹内敬治 at 19:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | エネルギー・ハーベスティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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