2011年05月22日

米国オークリッジ国立研究所でMEMS焦電発電デバイスを開発中

米国エネルギー省傘下のオークリッジ国立研究所(ORNL:Oak Ridge National Laboratory)では、焦電効果を利用したMEMS発電デバイスを開発中です。2011年5月16日にプレス発表がありました。

ORNL.jpg 
 
 

焦電効果とは、温度変化によって表面電荷が変化する現象です。この現象を示す物質を、焦電体と呼びます。
焦電体は、圧電効果も示しますので、圧電体でもあります。

熱電材料は、空間に温度差から発電しますが、焦電体は時間的な温度差から発電します。
発電デバイスとして使うときのポイントは、どうやって温度変化を作り出すかにあります。

ORNLの場合は、カンチレバーを使っています。サーモスタットの原理で振動させ、温度差を焦電体に生じさせます。
焦電体による温度差発電の理論効率は、熱電発電よりも高く、ORNLでは発電効率を10%〜30%と見込んでいます。(温度差による)
1mm角の発電デバイスで1〜10mWの発電量とのことですが、まだ実際に作っているわけではありません。
もし実現すれば、MEMS発電デバイスとしてはかなりの発電量です。

用途としては、排熱発電です。例えば、高温になるCPUに、冷却も兼ねてとりつけます。
また、たくさん並べれば、大きな発電量も期待できます。

しかし、この原理で室温付近の温度差で発電させることは難しそうです。


参考情報:
ORNL energy harvesters transform waste into electricity
(2011年5月16日、ORNL)
Thermal Energy Scavenger
(ORNL)

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posted by 竹内敬治 at 21:28 | Comment(2) | TrackBack(0) | エネルギー・ハーベスティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
初めまして、インドのチェンナイで技術移転業を営む山中康寛と申します。

非常に面白い技術ですね。実用化されると良いですね。

現在、インドへと移転する技術を探しているのですが、ぜひ一度、Skypeかメールでお話を聞かせて頂けませんでしょうか?
Posted by インド技術移転コンサルティング at 2011年05月23日 17:22
発表から1年が経ちましたが、その後の進展はどうなってるんでしょうか。記事を読んだ限りでは非常に有望そうな技術だったので、余計気になります。
Posted by JAMおじさん at 2012年06月04日 14:44
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