2011年05月15日

韓国の成均館大学、声で発電するデバイスを開発との報道

英国のテレグラフ誌が、韓国の成均館大学の研究を紹介したようで、報道があちこちに広がっています。

声で発電するデバイスを開発したとのことで、将来は声で携帯電話を充電できるかも? それはどうでしょうか...

cell phone charging with voice
(写真の引用元サイトはこちら、クレジットはYuri Arcurs | Dreamstime.comです)
 
 
声で発電するというのは、普通にマイクがしていることで、めずらしくはありません。
100デシベルの音で、50mVの起電力を得たとのことですが、圧電素子(使っているのはZnO)はインピーダンスが高いので、流れる電流は小さく、発電電力も小さくなります。

成均館大学のSang Woo Kimの研究発表(下図)をみると、電流は0.9kg重の負荷のときに10mA/cm2と書かれていました。
100デシベルの音でこれだけの負荷をかけることができるか、条件がよくわかりませんが、仮に、負荷がこれだけで50mVの起電力が発生したとすると、発電量としては、1cm2程度の大きさの発電デバイスで、ざっくり50mV×10mA=500μWとなります。
(正確には、詳細な実験条件を確かめる必要があります)
携帯電話の充電には力不足ですし、Sang Woo Kim自身も、タッチセンサーやロボットスキンへの応用を考えています。
(センサーなら、電流は少なくても電圧が出れば使える)

 
論文の発表は、2010年8月(Advanced Material)で、このときも報道されましたが、今回、テレグラフがとりあげて一気に広まったようです。

力のあるメディアが、「携帯電話を充電できるかも」、と、目を惹く見出しをつければ、中身は無くとも広まります。



大した話ではないので、ブログにとりあげるのをやめようかとも思ったのですが、TechNewsWorldの記事に目が留まりました。

記事の中で、Yankee Groupや、In-statという、他の分野で昔から知っている調査会社のアナリストがコメントしていました。
コメントの内容は別として、いろいろな調査会社がエネルギー・ハーベスティング分野に近付いてきているのは興味深いです。


参考情報:
New Energy Harvesting : Sang Woo Kim
(Designers Party)
Energy-Harvesting Tech Could Boost Power for Cell Yellers
(2011/5/9、TechNewsWorld)
Mobile phones could be charged by the power of speech
Mobile phones could soon be charged by simply speaking into the handset.
(2011/5/8、Telegraph)
Sound-Driven Piezoelectric Nanowire-Based Nanogenerators
(2010/8/30、Adbanced Material)
「しゃべって携帯を充電」も可能に? 音で発電する技術が韓国で開発中
音を使って発電する技術を韓国の科学者が開発している。試作機では、約100デシベルの音から50ミリボルトの電気を作れたという。
(2011/5/12、ITMedia)


関連記事:
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posted by 竹内敬治 at 21:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | エネルギー・ハーベスティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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