2011年02月13日

カナダのEtalim社、スターリングエンジンと熱音響発電を組み合わせた高効率の熱電発電機を開発

カナダのバンクーバーにあるベンチャー企業Etalimは、スターリングエンジンの原理と熱音響発電の原理を組み合わせた高効率な排熱発電エンジンを開発しています。
 
昨年に開発したプロトタイプの発電効率は10%でしたが、2011年春に完成予定の2番目のプロトタイプは、500℃の熱源で発電効率20〜30%と予想しています。

700℃の熱源で発電効率40%の商用機の開発は、2012年がターゲットです。


  

スターリングエンジンは、原理的にはカルノー効率が達成できるはずですが、実際に作るとガス漏れや摩擦など機械的なロスが大きく、効率が下がってしまいます。

このスターリングエンジンと、可動部のない熱音響発電の原理を組み合わせることで、高効率の熱電発電(TEG:Thermal Electric Generator)エンジンを開発することに成功しました。
詳しい原理は、参考情報のページの動画を参照してください。
 
シンプルで低コストな構造のため、発電機のコストも1ドル/ワット程度になる見込みで、将来的には15セント/ワットを目指します。
 

この発電機は、エネルギー・ハーベスティングよりは大きな発電量の市場を狙っています。家庭向けのコジェネシステムや太陽熱発電システム、排熱発電などです。この領域では、従来型の熱機関や燃料電池などとの競争になりますが、高効率、低コスト、メンテナンスフリーで材料の制約も少ないため、実用化に成功すれば普及が期待されます。

ところで、700℃の熱源で発電効率40%というのは、熱電発電(Thermoelectric Generator)でいうと、効率係数ZTが10程度になり、熱電材料では達成不可能な効率です。
熱電材料で排熱利用にチャレンジするのがいかに難しいかが分かります。


参考情報:
Etalim’s novel engine could bust open microCHP, small biogas and solar thermal power markets, among others
(2011年2月4日、GreenLiving)

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posted by 竹内敬治 at 21:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | エネルギー・ハーベスティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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