シンガポールでは、海外の大学を誘致してR&D拠点を形成するCREATE(Campus for Research Excellence And Technological Enterprise)プログラムが進められています。
例えば米国UCバークレーは、シンガポールの南洋理工大学と共同で、熱帯のビルの省エネとサステナビリティに関する研究を行います。
2010年10月20日には、CREATEプログラムで、イスラエルのヘブライ大学とベングリオン大学が、南洋理工大学とナノ材料に関する共同研究を行うことを発表しました。ナノ材料によって、エネルギー・ハーベスティング、省エネ、水のリサイクルとセンシングの効率を大幅に向上できるとのことです。
イスラエルもシンガポールも、人口が少なく自然資源のない小国という共通点があります。
水処理のニーズも共通するのでしょう。
また、インドでは、防衛研究開発機構(DRDO)が、50-60億ルピー(約100億円)を投じて、ナノテク製品を製造する工場を、バンガロール州のハイデラバードに建設します。
DRDOは巡航ミサイルの開発を行っていることがよく報道されていますが、ナノテク製品は、ミサイルの性能向上にも使われますし、ヘルスケア、医薬、センサー、エネルギー・ハーベスティングにも有用です。
水処理、軍事、ヘルスケア、医薬などは、国策としても非常に重要な研究開発分野です。
このような分野の政府系研究開発プロジェクトに組み込まれる形で、エネルギー・ハーベスティング技術の開発が世界的に進められることが増えてくるのではと思います。
参考情報:
Israel and Singapore to develop new nanomaterials
(2010年12月14日、ISRAEL21c)
DRDO plans nano-foundry with Rs 500-600 crore
(2010年12月18日、Business Standard)
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