2009年11月23日

MITが量子ドットを利用した高効率の熱電発電技術を開発

MITが、高効率の熱電発電技術を開発しています。
ゼーベック効果は利用していません。
理論的には、カルノー効率の90%の熱電変換が可能です。
もし実用化すれば、各種の排熱利用が促進されます。 
 

熱光発電(TPV:Thermophotovoltaic)と、ナノギャップの熱イオン発電(Thermoionic)を組み合わせたような方式です。
 
熱光発電では、高温側の極からの輻射を、低温側の極の太陽電池で受けて発電します。
この極間のギャップを、光の波長よりも小さくしていきます。すると、光子交換のカップリングよりもクーロンカップリングのほうが優勢になります(前者は距離に反比例、後者は距離の3乗に反比例します)。
このとき、低温側の太陽電池に量子ドット材料を使用すると、クーロンカップリングで量子ドット内の電子が励起されます。光子は移動しませんので、熱光発電とは違います。電子も移動しませんので、熱イオン発電とも違います。ギャップがあるので、熱伝達は小さく、理論効率はカルノー効率に近くなります。

MITによれば、この方式であれば、高効率と高出力が両立できるとのこと。
現在、カルノー効率の40%のデモンストレーションまでできています。
ゼーベック効果を利用した熱電発電では、到達困難な変換効率です。

実用化には、時間がかかりそうです。Power Chipとどちらが早くできるでしょうか。

参考情報:
MIT research signals a better way to harness waste heat

(2009年11月19日、MIT)
Boffins try to get closer to hot bodies
Quantum dots: making electricity from waste heat
(2009年11月19日、The Register)

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posted by 竹内敬治 at 20:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | エネルギー・ハーベスティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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