2009年02月15日

日本のUQコミュニケーションズ、そして米国ClearwireのモバイルWiMAXサービスは順調に離陸するのか?

米国では、UQコミュニケーションズに先立って、ClearwireがWiMAXサービスを開始しています。

しかし、インテルは、米国のWiMAX市場の将来性を悲観していると伝えられています。
ClearwireのモバイルWiMAXサービスはどこへ向かうのでしょうか。
 
 


Clearwireの株価は、この1年で8割下落し、インテルは2008年第4四半期の決算で10億ドルの評価損を計上しました。

インテルは、米国のWiMAX市場の将来性を悲観し、米国市場よりも国外市場でWiMAXの普及努力をすると伝えられています。


もともと、ブロードバンドや3Gの普及が進む先進国では、インドなどの発展途上国と比べて、WiMAX市場の拡大する余地は限られています。今になって、改めて将来性を悲観するというのはどういうことなのでしょうか。

 
*** 

 
Clearwireの事業計画では、WiMAXならユーザ1人あたり10ドルの投資でネットワークを整備することになっています。全米をカバーするのに30億ドルです。これはVerizon WirelessやAT&T Wirelessなど競合する3Gサービスの投資額に比べて非常に安いため、価格競争力も維持できるはずでした。

 
しかし、ポートランド市は、起伏に富んだ地形のため、同市をカバーするWiMAXネットワーク構築に、300の基地局が必要でした。基地局一つ当たり15万ドルかかるので、合計4500万ドルの投資です。

 
この調子で、一人あたり30ドルの投資が必要とすると、米国の人口の半分をカバーするのに、45億ドルもかかってしまいます。

 
Clearwireは、2010年末までに、人口の半分をカバーする計画ですが、それを実現するためには、あと20億ドルを調達しなければなりません。

 
今の経済状況では、この資金調達はかなり難しく、Clearwireは事業を予定通り進められそうにありません。

 
Clearwireは、2009年3月5日に、次にサービス開始する地域を発表する予定です。

 
*** 

さて、日本のUQコミュニケーションズのWiMAX事業はどうでしょうか。
資金調達面ではソフトバンクやウィルコムのような困難には直面していません。
インテルもUQコミュニケーションズの成功には期待しています。

 
 
参考情報:

IntelのQ4決算は23%減収で直近の予測通り,90%減益 (2009/1/16, NikkeiBP)

ワイマックス事業の主軸は米国外市場へ〜インテル、米市場の将来性を悲観
2009/02/12, usfl.com(オリジナルはinformation week)


WiMax’s last best hope (2009/2/9, Fortune)

Clearwire Expansion Slowing?  (2009/2/11, DailyWireless)

関連記事:


UQコミュニケーションズのモバイルWiMAXとウィルコムの次世代PHS [2009/02/11 22:22]

SprintとClearwireのWiMAX事業統合続報:ClearwireがLTEをサポートする?! [2008/12/05 17:31]

この記事には、コメントにて質問をいただきました。
回答を転載します。

モバイルWiMAXは、先進国においては3G等との競合があるため、インド等発展途上国での利用拡大が先行すると予想されますが、量産効果でブーメランのように先進国での低価格サービスが可能になる可能性もあります(安価な外国端末が流入する可能性も)。当然他社も対抗しますので、意味のある程の価格差が維持できるかどうかは分かりません。コグニティブ技術の進歩等により、ユーザにとっては、技術の差異がますます見えにくくなる中で、オープンなビジネスモデルがどこまで機能するかがモバイルWiMAX普及のポイントかと思います。

 
カバレッジ拡大はサービス普及の鍵ですのでUQは当面予定通り全国展開を進めると予想されますが、デジタル・ディバイド解消が目的ではありませんので、地域WiMAXとの連携が期待されるところです。地域WiMAXについては、「世界のワイヤレスブロードバンド2008」でも少し触れています。
 

米国はオバマ政権でブロードバンドの普及を進める方向です。無線関連で面白いのは、ホワイトスペース開放と、AWS-3周波数帯(まだWBB最新情報ではとりあげていませんが、FCCは、無料のワイヤレス・ブロードバンドサービスの提供を義務付ける方向です)。事業者の動向ではSprintのWiMAX、VerizonのLTE、AT&TのWi-Fi/iPhone、あとはGoogleのAndroidとVerizonのネットワークオープン化と、2009年も、様々な動きがありそうです。自治体WBBは中小自治体で地道に拡大していくと思われます。欧州では2.5GHz帯、FTTH、広くは規制枠組みがテーマでしょうか。アジアはWiMAXの話題が多くなりそうです。
 
5年後、10年後には、UQが継続してサービスを提供しているのか?5年後Yes,10年後Noというのが確率的には最もありそうですが、事業形態はどうなるか分かりません。。。

 
 




posted by 竹内敬治 at 22:55 | Comment(0) | TrackBack(0) | WiMAX | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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