2008年08月06日

グローバル規模での3Gネット対応iPhone販売開始

DRIテレコムウォッチャー 2008年8月1日号
 
                 データリソース社顧問 米田 純
 
2008年7月11日、Apple社は、予想されていた通り、3Gネットワーク対応の新型iPhoneを世界21国(オーストラリア、オーストリア、ベルギー、カナダ、デンマーク、フィンランド、ドイツ、香港、アイルランド、イタリア、日本、メキシコ、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、スイス、英国、米国)で一斉に売り出した。
 
フランスのみは、一週間遅れ(AppleとフランスのキャリアOrangeとの販売条件の調整のため)の7月18日の発売となった。
 
 
新バージヨンiPhoneの発売開始を告げたApple社のプレスレリースで、同社CEOのSteve Job氏は、「昨年iPhoneを市場に出してからちょうど1年後(筆者注:2007年の発売は6月28日に行われたので、正確には1年1ヶ月近く後)に、当社は、半値料金、倍の速度の新型iPhoneを発売する」と高らかに宣言した。さらに「iPhone3Gは、マイクロソフト社のExchange ActiveSyncをサポートし、iPhoneSDKにより創り出された第3者作成のアプリケーションを提供する。また、2008年末までには、全世界70国以上に、発売先を広げる」と述べた(注1)。
 
 新型iPhoneは、おひざもとの米国はもとより、他の国々でも、好評を博している模様である。発売開始、わずか3日後の7月14日、Apple社は、新型iPhone100万台を売り上げ、さらに同社のApp Store(ネットを通じ、ソフトを販売するバーチャル店舗)により1000万件のアプリケーションのダウンロードがあったと発表した(注2)。
 
 Apple社は、センセーショナルな殺し文句を打ち出すことにより、利用者、ジャーナリズムを惹きつける術に長けている。それにより話題を呼び起こしては、企業イメージを高め、売り上げ増を狙うという独自の広報活動を取っている。2007年1月、Steve Job氏が、初めてiPhone発売構想をぶち上げた時、同氏は2008年末までに1000万台を売り上げると約束した。この売り上げ目標が達成できるかいなかについては、旧型iPhone発売後、当分の間、論者の間で否定、肯定の意見が大きく分かれたことは、未だ記憶に新らしい(注3)。しかし、今回、明らかになった新型iPhoneの爆発的な売り上げ増のニュースからすると、当初、Steve Jobs氏の大言壮語に過ぎないと見る向きも多かったこの予測数値を、今では、疑う人がいない状況となった。
 
 ただ、Apple社が、今回、プレスレリースの副題にも使った「速度は倍、価格は半値(Twice as fast at Half the Price)」という謳い文句も、いささかトリッキーではある。なるほど、米国における新型iPhoneの売り渡し価格は16GB対応が299ドル、8GB対応が199ドルと、それぞれ最初のバージョンに比し、ほぼ半値になっている。しかし、加入者は、義務付けられた2年間の契約期間に、旧機器の場合より15ドル高い月々の定額料金を支払わなければならない。この料金分(2年間で360ドル)を加算すると、旧機種と新機種との料金差はほとんどなくなってしまう。むしろここでは、今回大きく原価割れした低価格の端末をキャリアに売らせる。しかし、卸売り価格は、Apple社が十分に利益が上がる程度の水準に設定し、キャリアは、端末安売りの損失を月々の使用料から償還すると言う方式を採用した点が注目される。多分、Apple社は、旧バージョン販売の経験から、欧米、日本で通常に行われている方式を導入し、毎月のキャリアの使用収入から配分を受ける方式を断念したのであろう。
 
 3GバージョンiPhoneでは、最初のバージョンiPhoneに比し、幾つもの改善が加えられた。その最たるものは、第3者が製作したソフトの取り込みである。Apple社は、2007年6月、旧機種を発表した当時は、Appleプロプライアトリーのソフト以外の使用をユーザーに一切認めないとの強い姿勢をとった。しかし、ソフト業者からの強い反対、FCCによる回線、機器のオープン化の基本方針の声明により、その後、急遽、180度の方針転換を行った(注4)。すでに、旧機種においても、iPhoneSDK(2008年3月発表、第3者業者によるソフト開発用キット)の発表によって、第3者ソフト利用の道を開いた。3Gバージョンでは、利用者は、Appleのバーチャル店舗、App Storeから、数多くの有無料のソフトにアクセスができるようにしている。

 これが、旧機種iPhoneに対する新機種iPhoneの最大の改正であることについて、論者の意見は一致している。いわば、3GPhoneは、限りなく "携帯PC" に近い製品なのである。

 以下、本論では、3GiPhoneに対する評価、それに対するユーザ・関連筋の評価、他のスマートホーン業者に対するインパクト、わが国での受け入れ見通し等について、さらに述べる。 
 
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posted by 竹内敬治 at 18:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | DRフォーラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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